今日は江戸時代の経営コンサルと言われた二宮尊徳の教えについてお話します。
蒔きを背負って本を読む勉強家というイメージが強い二宮尊徳ですが、じつはあの松下幸之助さんや稲森和夫さんなど昭和の経営者に大きな影響を与えたという思想や方法論「報徳」を説いた人です。
報徳ては「万物にはすべて良い点(徳)があり、それを活用する(報いる)」という考えかたです。
70歳でその生涯を終えるまで、報徳仕法の手ほどきを受けた地域は600か村に達したといわれています。
二宮尊徳の指導によって貧しい農村が栄えたということですが、最初は誰も話を聞いてくれなかったそうです。
その時尊徳は「これは自分に真心が足りないからだ」と考え、お寺にこもり3週間断食修行をしたそうです。
その後、村の人たちは尊徳の話に耳を傾けるようになり、財政再建・農村復興の仕事(報徳仕法)にまい進することになります。
そうした中で尊徳は人がリーダーシップを図る時に必要な4つの教えを説いていますのでシェアしますね。
① 至誠(しせい)、うそ偽りのない真心を持つこと。
② 勤労、一生懸命働くこと。自分にできることは進んですること。
③ 分度(ぶんど)、自分の置かれた状況や立場にふさわしい生活を送ること。
「至誠」と「勤労」に励むと、自然とお金が入ってくるようになる。つまり経済的に成功する。するとすぐに自分だけいい生活をしようとする。しかし、そうしたとたんにこれまで慕ってくれていた周囲の人は離れていく。
④ 推譲(すいじょう)、分度によって生まれたお金や力は、社会貢献や自分の将来に譲ることが大切であるとしています。
人を指導し影響を与える存在になるためには、周囲の人のために真心から語り、自ら進んで学び行動するリーダーシップが必要です。
小田原市では小学生全員が二宮尊徳について学ぶそうです。
きっと第2第3の二宮尊徳が小田原から誕生するかも知れませんね。